2011年5月5日木曜日

読書記録 - スティーブ・ジョブズ 超仕事力


スティーブ・ジョブズ 超仕事力
竹内一正 著

スティーブ・ジョブズと聞くとプレゼンテーションの本が思い浮かぶが、
本書はプレゼンテーションの本ではない。
ジョブズがこれまでアップル社でおこなってきた
経営術をまとめた本である。

まずはどの観点から商品を生み出すかというところから始まる。
本書の冒頭ではジョブズが自分主義だと書かれている。
自分がほしいと思う商品をジョブズはつくりだしている。
その欲求に彼は妥協せずに細かいところにまでこだわって作り出す。

そしてつくりだされた商品を最大のプレゼンテーションをもってして世に出す。
ジョブズは最初からプレゼンテーションが上手なわけではなく、
まるで演劇のように入念な準備や稽古をつんで舞台にあがった。
もちろん、その挑戦には偉大なる指導者を迎えて。

ジョブズが成功した理由として、本書からよみとれるのは
彼は「一流から学ぶ天才」だったことだ。
広告戦略にしても、事業経営にしても、彼は一流の人間を自分の味方にひきいれた。
そして一流の良いところを生かし、自らはそれを学習していた。

平気で「盗める」人こそ最高の独創人間

と本書ではかかれているが、まさにそのとおりである。
自分の専門外のことは、専門の人間から教わるべきである。
そして教わるべきは一流の人間から。
常に自分の周りに一流の人間ととどめておくことが成功の秘訣ではないだろうか。

そして次に重要なこととして失敗からすぐに立ち直ることの重要性だ。
ジョブズは一般的には成功者といわれているが、
実は事業の失敗はかなり多い。
しかし、彼の精神力は決してよわくなかった。
失敗からはすぐに立ち上がり、次の手段を考え出している。
さらに、同じ失敗は絶対に繰り返さない。

最後は「仕事を義務と思うか、楽しみと思うか」ということにも触れている。
ジョブズはいかに有能な人間をひきつけるかと同時に
ひきつけた有能な人間から生み出される有能な人間に期待をしている。
仕事は「楽」にはできない。しかし、「楽しみ」にはできる。
この言葉こそが、有能な人間を生み出す秘訣となるのではないだろうか。

自分の信念を貫くために
一流の人間から技術を学び
一流の人間をひきつけ、
一流を育てる。

彼の周りには一流の人間しか存在しない。
一流をおくこと。本物しかみないことが、彼の仕事力の真髄ではないのだろうか、と筆者は考えるのである。

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